2011年05月10日
杖道(形)一本目 「着杖」(つきづえ)
今日は全日本剣道連盟杖道の「形」の中から一本目の「着杖」を紹介してみたいと思います。
(全日本剣道連盟杖道(解説) から抜粋)
〔目的〕 正面から切り下ろす太刀を、体を右斜め後ろにかわして左小手を
打ち、さらに、退きながら上段に構えるその左小手を本手打ちする形
である。
〔要領〕
仕 常の構えから右手を正面に伸ばし、すべらして、杖尾を床につけて立て、杖
先を握る。
【右手を縮めずに、杖を真っ直ぐ立てる。】
打 携刀から右足を出し中段に構え、左足を出し八相に構える。
八相に構えて間合いに進み、振りかぶりながら右足を踏み込み正面を水平
まで切り下ろす。
【「仕」が、構えてから「打」が 八相に構える。(以下これに準ずる。)
左足から進んで(以下これに準ずる。)、一足一刀の間合いで止まり、太刀
が頭部に届くように、しっかり両手を伸ばして切る。
八相より振りかぶってから切り下ろす動作は、一拍子とする。太刀を頭上に
振りかぶった時、剣先を水平より下げない。(以下これに準ずる。)】
仕 右足から右斜めに後ろに大きく退きながら体をかわし、右手を持ち替え腰
にとり、左手で杖を握る。杖先を右に半円を描くように回すと同時に、左足
から踏み出して左本手で左本手を打つ。
【杖を振りかぶることなく、大きく半円を描き、手を伸ばし顔面を攻めるよう
にして、小手を打つ。
体を捌いた時の姿勢は、真半身となり、小手を打った姿勢はやや半身
となる。】
打 右足から退きながら左上段に構える。
【左足から退かない。「仕」を1歩踏み込んで切ることが出来る間合と姿勢
をとる。】
仕 杖を両手いっぱいにとり、右足を踏み出し、左小手を本手打する。
【「打」が上段にとると同時に、杖を両手いっぱいにとり、杖先は「打」の顔面
につける。】
打 右足から退きながら太刀を右脇下に下ろす。
【太刀は剣先の方向に下ろす。両足が自由に動けるように残心を示し、重
心と姿勢に気をつける。(以下これに準ずる。)】
仕 杖先を顔面につけて残心を示す。
【「打」の顔面とは、両眼の間とする。】
納め方
仕 左手を後ろに引き、杖を両手いっぱいにとり、左手を肩の高さにし右手を右
膝上につける。
【右手の甲が右足に接し、左手の甲が正面に向くようにする。】
打 左足を右足の後ろに退き構えを解く。
【右足を動かさず左足を右足の後ろに退き構えを解く。(以下これに準
ずる。)】
仕 右手を上から持ち替え、杖を右手の内にすべらせながら左足を右足に揃
え、常の構えとなる。
【「打」が構えを解くのに合せて、常の構えとなる。(以下これに準ずる。)】
(注)「仕」「打」ともに元の位置にもどる。以下これに準ずる。
※本文は「解説」で、【 】内は、指導上の留意点です。
『杖道審判・審査上の着眼点』
(各「形」共通事項 礼法 定められた礼法のとおり行っているか。)
(打) (1)正しい八相の構えから間合いに入り水平まで切っているか。
(2)正しく左上段に構えているか。
(仕) (1)右斜め後ろに体を捌いた姿勢はどうか。
(2)杖を右斜め上方より大きく回して「打」の左小手を打っているか。
(3)正しい本手打で「打」の左小手を打っているか。
これが「杖道」の一本目「着杖」です。
杖道は、太刀(打)が率先して技を仕掛けていきますので、古流におきましては、「打」は「目録」以上の技量が前提、とされていますほどに、太刀捌きが「形」全体に大きな影響を及ぼしていきます。
しかし形の構成上では、「仕」である杖が構えて後に、「打」である、太刀が八相に構えて間合いに入り切り付ける(切り下ろし)こととなっています。
杖道は、杖と太刀の呼吸の合せとともに双方の間と間合いの取り方も、演武の流れに大きな影響を及ぼす事となります。
以上本日は「杖道」の一本目「着杖」紹介しました。
(全日本剣道連盟杖道(解説) から抜粋)
〔目的〕 正面から切り下ろす太刀を、体を右斜め後ろにかわして左小手を
打ち、さらに、退きながら上段に構えるその左小手を本手打ちする形
である。
〔要領〕
仕 常の構えから右手を正面に伸ばし、すべらして、杖尾を床につけて立て、杖
先を握る。
【右手を縮めずに、杖を真っ直ぐ立てる。】
打 携刀から右足を出し中段に構え、左足を出し八相に構える。
八相に構えて間合いに進み、振りかぶりながら右足を踏み込み正面を水平
まで切り下ろす。
【「仕」が、構えてから「打」が 八相に構える。(以下これに準ずる。)
左足から進んで(以下これに準ずる。)、一足一刀の間合いで止まり、太刀
が頭部に届くように、しっかり両手を伸ばして切る。
八相より振りかぶってから切り下ろす動作は、一拍子とする。太刀を頭上に
振りかぶった時、剣先を水平より下げない。(以下これに準ずる。)】
仕 右足から右斜めに後ろに大きく退きながら体をかわし、右手を持ち替え腰
にとり、左手で杖を握る。杖先を右に半円を描くように回すと同時に、左足
から踏み出して左本手で左本手を打つ。
【杖を振りかぶることなく、大きく半円を描き、手を伸ばし顔面を攻めるよう
にして、小手を打つ。
体を捌いた時の姿勢は、真半身となり、小手を打った姿勢はやや半身
となる。】
打 右足から退きながら左上段に構える。
【左足から退かない。「仕」を1歩踏み込んで切ることが出来る間合と姿勢
をとる。】
仕 杖を両手いっぱいにとり、右足を踏み出し、左小手を本手打する。
【「打」が上段にとると同時に、杖を両手いっぱいにとり、杖先は「打」の顔面
につける。】
打 右足から退きながら太刀を右脇下に下ろす。
【太刀は剣先の方向に下ろす。両足が自由に動けるように残心を示し、重
心と姿勢に気をつける。(以下これに準ずる。)】
仕 杖先を顔面につけて残心を示す。
【「打」の顔面とは、両眼の間とする。】
納め方
仕 左手を後ろに引き、杖を両手いっぱいにとり、左手を肩の高さにし右手を右
膝上につける。
【右手の甲が右足に接し、左手の甲が正面に向くようにする。】
打 左足を右足の後ろに退き構えを解く。
【右足を動かさず左足を右足の後ろに退き構えを解く。(以下これに準
ずる。)】
仕 右手を上から持ち替え、杖を右手の内にすべらせながら左足を右足に揃
え、常の構えとなる。
【「打」が構えを解くのに合せて、常の構えとなる。(以下これに準ずる。)】
(注)「仕」「打」ともに元の位置にもどる。以下これに準ずる。
※本文は「解説」で、【 】内は、指導上の留意点です。
『杖道審判・審査上の着眼点』
(各「形」共通事項 礼法 定められた礼法のとおり行っているか。)
(打) (1)正しい八相の構えから間合いに入り水平まで切っているか。
(2)正しく左上段に構えているか。
(仕) (1)右斜め後ろに体を捌いた姿勢はどうか。
(2)杖を右斜め上方より大きく回して「打」の左小手を打っているか。
(3)正しい本手打で「打」の左小手を打っているか。
これが「杖道」の一本目「着杖」です。
杖道は、太刀(打)が率先して技を仕掛けていきますので、古流におきましては、「打」は「目録」以上の技量が前提、とされていますほどに、太刀捌きが「形」全体に大きな影響を及ぼしていきます。
しかし形の構成上では、「仕」である杖が構えて後に、「打」である、太刀が八相に構えて間合いに入り切り付ける(切り下ろし)こととなっています。
杖道は、杖と太刀の呼吸の合せとともに双方の間と間合いの取り方も、演武の流れに大きな影響を及ぼす事となります。
以上本日は「杖道」の一本目「着杖」紹介しました。
タグ :杖道「形」
Posted by 阿羅漢 at
14:45
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2011年05月10日
「剣道」再出発
杖道,居合道と全日本剣道連盟傘下の二道は現在進行形をとっていますが、私が武道に没入するきっかけとなりました、「剣道」が冬眠中でした。
私と剣道の出会いですが、以前にも少し触れた事があったと思いますが、小学5年生の頃に父親から仕込まれました。
中学校は放課後の遊びでしたが、高校に入学し即入部。
しかし、元来が飽きっぽい性格と怠け癖が重なり、また、2年の時二段審査に落ちたのがきっかけで、部の練習からは足が遠のき、遊びに専従(専念)することになりました。(後日知ったことですが、高校の指導にいらしてくれていた先生は、「東武館」や県警の師範であり、郷土の誇る高名な先生でした。剣道、居合に精通した方でした。当時はそんな事実は知る由も有りません。)
昭和38年12月に初段をいただいています。その後、就職をしてから少林寺拳法の練習と共に、誘われまして防具を新規に購入して、一時期剣道を再開しましたが、2年位で脱落をしてしまいました。
これが昭和50年代ですから30年以上も前の事になります。
そして昨年タイに着てから日本の剣道具屋さんから、三尺九寸の竹刀を購入しました。防具を持参してきていませんので、タイで防具を装備しての練習はできませんが、竹刀を振る練習はいろんな形ができますのではじめていました。
しかし、昇段審査を控えています杖と居合の練習が先行して、竹刀を振る練習はどうしても後回しの事となっていました。
ここ2週間ほど前から杖の練習の合間に考えました。
居合道は、刀を使用して仮想的を相手とした単独の演武
杖道は、(仕)杖と(打)太刀との形武道(決まった一定の形式の中での演武)
剣道は、竹刀を使用して正面の相手と相対し、勝負を決する立会い。
来年の杖道,居合道の昇段審査を考えた時に、ふと過ぎったのが剣道の立会いでした。
今練習中の二つの武道は、決められた事を決められた方法で演武を行っていく事が大切であり、なんら自分の掌中の駒を出す事などはない武道です。(審査にそのような事をしては見事に不合格ですが。)
さて剣道はどうか。打突の場所は決められていますが、この様に遣らなければならないという、細部までの決め事はなく、遣り方によっては自分の練習結果が出せるところが、大きな違いがあるのではないかと思います。
そして大きな特徴は、なんと言っても対戦相手の呼吸を読みとる事、が大切な武道であるということです。
先の先を取るか。後の先を取るか。この駆け引きが対戦相手とでてきます。
一瞬の間によって結果が大きく左右されるのが剣道です。
今できる練習は、竹刀の各種の素振りと「剣道形」が審査に有りますので、この打太刀と仕太刀の双方の練習をしています。
今年の10月頃には日本で新規に防具を購入し、心機一転、剣道「二段」に挑戦をしてみたいと本気で考えています。
私と剣道の出会いですが、以前にも少し触れた事があったと思いますが、小学5年生の頃に父親から仕込まれました。
中学校は放課後の遊びでしたが、高校に入学し即入部。
しかし、元来が飽きっぽい性格と怠け癖が重なり、また、2年の時二段審査に落ちたのがきっかけで、部の練習からは足が遠のき、遊びに専従(専念)することになりました。(後日知ったことですが、高校の指導にいらしてくれていた先生は、「東武館」や県警の師範であり、郷土の誇る高名な先生でした。剣道、居合に精通した方でした。当時はそんな事実は知る由も有りません。)
昭和38年12月に初段をいただいています。その後、就職をしてから少林寺拳法の練習と共に、誘われまして防具を新規に購入して、一時期剣道を再開しましたが、2年位で脱落をしてしまいました。
これが昭和50年代ですから30年以上も前の事になります。
そして昨年タイに着てから日本の剣道具屋さんから、三尺九寸の竹刀を購入しました。防具を持参してきていませんので、タイで防具を装備しての練習はできませんが、竹刀を振る練習はいろんな形ができますのではじめていました。
しかし、昇段審査を控えています杖と居合の練習が先行して、竹刀を振る練習はどうしても後回しの事となっていました。
ここ2週間ほど前から杖の練習の合間に考えました。
居合道は、刀を使用して仮想的を相手とした単独の演武
杖道は、(仕)杖と(打)太刀との形武道(決まった一定の形式の中での演武)
剣道は、竹刀を使用して正面の相手と相対し、勝負を決する立会い。
来年の杖道,居合道の昇段審査を考えた時に、ふと過ぎったのが剣道の立会いでした。
今練習中の二つの武道は、決められた事を決められた方法で演武を行っていく事が大切であり、なんら自分の掌中の駒を出す事などはない武道です。(審査にそのような事をしては見事に不合格ですが。)
さて剣道はどうか。打突の場所は決められていますが、この様に遣らなければならないという、細部までの決め事はなく、遣り方によっては自分の練習結果が出せるところが、大きな違いがあるのではないかと思います。
そして大きな特徴は、なんと言っても対戦相手の呼吸を読みとる事、が大切な武道であるということです。
先の先を取るか。後の先を取るか。この駆け引きが対戦相手とでてきます。
一瞬の間によって結果が大きく左右されるのが剣道です。
今できる練習は、竹刀の各種の素振りと「剣道形」が審査に有りますので、この打太刀と仕太刀の双方の練習をしています。
今年の10月頃には日本で新規に防具を購入し、心機一転、剣道「二段」に挑戦をしてみたいと本気で考えています。
Posted by 阿羅漢 at
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