2014年10月26日
全日本剣道連盟 杖道四段昇段審査を振返って
六年振りとなる「全日本剣道連盟 杖道昇段審査」を日本で受審してきました。
三段の昇段審査が平成20年12月。あれから六年が経ってしまいました。
全日本剣道連盟の「剣道・居合道・杖道 称号・段級位審査規則・細則」(受審資格)では、「四段は、三段受有後3年以上修業した者」との条件を満たすこと、と記載されています。
しかし私はこの条件を二重にしました。障壁をあえて二倍高くし、年数の階段の間隔を広く取りました。
これは以前にも書きましたが、日本を遠く離れた海外で独りでの稽古形態である事と、どの武道でもそうですが、三段までと四段からでは「道」に対する心構えと共に、業のある程度の充実も、問われてくるのではないかと感じて、再度、基本に重点を置いた稽古に専念をしました。
そういう点では、独り稽古の気安さです。鏡を見ながらじっくりと単独稽古ができました。
自己と相手の中心軸(正中線)を常に意識の中におき、基本業を繰り返し打ち,突きを行いました。何とか基本業は形が出来上がってきたように感じたのですが、一つ困ったことが起きました。
「間と間合い」です。
独り稽古の悲しさが如実に現れてきました。
形稽古をはじめますと、相手のいない悲しさ単独行動と一人合点な我がままに陥ります。
この重要な問題点を解消するために、今回は余裕を持って早めに日本に帰国しました。
矢張りでました。五段の方と昇段審査規定の組演武をお願いしました。「間」が持てません。独りで相手の業を無視した形で、進んでいきました。間を空けるのが辛いのです。我慢ができずに単独行動に走っていました。
また、「間合い」です。太刀と杖とを合わせる段階でも、間隔が掴めずに大変な苦労をしました。
この時間と空間や距離の、「間と間合い」を克服するには、稽古量しかありません。
自分の道場での稽古はもちろんのこと、以前から出稽古に訪れていた所にもお邪魔させていただきました。
多くの方と稽古することによって、いろんな人の間合いがつかめるようになってきました。
また、多くの方と杖と太刀で触れ合うことにより、自然と間ももてるようになってきました。
そして、もちろん日本でも単独稽古は欠かせませんでして。
しかし、自分の正面からの姿形は鏡で投影することだできますが、後ろや脇からの姿勢は見えません。
組形の姿勢を見てもらい指摘をしていただき、間違った欠点を修正し克服するのは、稽古しかありません。
とにかく10月11日の四段昇段審査へ向けて全力で望みました。
圧巻は、何時も使用している道場で基本稽古をしていた時、次の使用団体が遣って来てしまったのです。
仕方なく私の稽古の相手をしてくれる人を外で待ち、稽古場所を隣接する「城址公園本丸内」に移しました。
松の巨木が乱立し枝が垂れ込め、外灯があまりない薄暗い場所でした。しかし、人間、見ようとすれば少々の明かりの中でも十分に見えるものです。
ここでの稽古は今も目を閉じると鮮明に蘇ってきます。長い時間ではなかったのですが、古の先人達に見守られながらの四百年もの長き続く武道「杖」の演武はなんとも圧巻でした。いつの間にか、業と気合にも熱がこもっていました。
ほの暗い城址本丸内。幽玄と幻想の世界に導かれての杖演武。昇段審査にあわせて日本での良い思い出が心に刻まれました。
数日間、私の杖の稽古の相手をしてくれた人、には本当に感謝の気持ちで一杯です。ありがとう。
昇段審査は何とか無事に(高い合格率にも助けられ)合格することができました。
この模様は後日談ということで、本日は終了いたします。
三段の昇段審査が平成20年12月。あれから六年が経ってしまいました。
全日本剣道連盟の「剣道・居合道・杖道 称号・段級位審査規則・細則」(受審資格)では、「四段は、三段受有後3年以上修業した者」との条件を満たすこと、と記載されています。
しかし私はこの条件を二重にしました。障壁をあえて二倍高くし、年数の階段の間隔を広く取りました。
これは以前にも書きましたが、日本を遠く離れた海外で独りでの稽古形態である事と、どの武道でもそうですが、三段までと四段からでは「道」に対する心構えと共に、業のある程度の充実も、問われてくるのではないかと感じて、再度、基本に重点を置いた稽古に専念をしました。
そういう点では、独り稽古の気安さです。鏡を見ながらじっくりと単独稽古ができました。
自己と相手の中心軸(正中線)を常に意識の中におき、基本業を繰り返し打ち,突きを行いました。何とか基本業は形が出来上がってきたように感じたのですが、一つ困ったことが起きました。
「間と間合い」です。
独り稽古の悲しさが如実に現れてきました。
形稽古をはじめますと、相手のいない悲しさ単独行動と一人合点な我がままに陥ります。
この重要な問題点を解消するために、今回は余裕を持って早めに日本に帰国しました。
矢張りでました。五段の方と昇段審査規定の組演武をお願いしました。「間」が持てません。独りで相手の業を無視した形で、進んでいきました。間を空けるのが辛いのです。我慢ができずに単独行動に走っていました。
また、「間合い」です。太刀と杖とを合わせる段階でも、間隔が掴めずに大変な苦労をしました。
この時間と空間や距離の、「間と間合い」を克服するには、稽古量しかありません。
自分の道場での稽古はもちろんのこと、以前から出稽古に訪れていた所にもお邪魔させていただきました。
多くの方と稽古することによって、いろんな人の間合いがつかめるようになってきました。
また、多くの方と杖と太刀で触れ合うことにより、自然と間ももてるようになってきました。
そして、もちろん日本でも単独稽古は欠かせませんでして。
しかし、自分の正面からの姿形は鏡で投影することだできますが、後ろや脇からの姿勢は見えません。
組形の姿勢を見てもらい指摘をしていただき、間違った欠点を修正し克服するのは、稽古しかありません。
とにかく10月11日の四段昇段審査へ向けて全力で望みました。
圧巻は、何時も使用している道場で基本稽古をしていた時、次の使用団体が遣って来てしまったのです。
仕方なく私の稽古の相手をしてくれる人を外で待ち、稽古場所を隣接する「城址公園本丸内」に移しました。
松の巨木が乱立し枝が垂れ込め、外灯があまりない薄暗い場所でした。しかし、人間、見ようとすれば少々の明かりの中でも十分に見えるものです。
ここでの稽古は今も目を閉じると鮮明に蘇ってきます。長い時間ではなかったのですが、古の先人達に見守られながらの四百年もの長き続く武道「杖」の演武はなんとも圧巻でした。いつの間にか、業と気合にも熱がこもっていました。
ほの暗い城址本丸内。幽玄と幻想の世界に導かれての杖演武。昇段審査にあわせて日本での良い思い出が心に刻まれました。
数日間、私の杖の稽古の相手をしてくれた人、には本当に感謝の気持ちで一杯です。ありがとう。
昇段審査は何とか無事に(高い合格率にも助けられ)合格することができました。
この模様は後日談ということで、本日は終了いたします。
Posted by 阿羅漢 at 21:54│Comments(0)
│杖道