2013年03月28日
(杖道における)「気合と呼吸」
先日(3月25日)、泰国杖・居合道稽古会(定例稽古)の記事の中で、
『・神道夢想流をベースとする杖道は「エイ」「イエイ」「ホー」を発声します』
と記載しました。
この発声(気合)を出すという事を、後少し詳細に記載してみたいと思います。と言いますのは、杖道稽古の中でこの気合は、術技と同じ位に大変に重要な部分を占めていますが、意外となおざりにされている、との松井先生からのご指摘もありますので、更に突っ込んだ説明文を引用させていただきたいと思います。
本日も私の「杖道」の先生であります、松井健二先生(神道夢想流杖術免許皆伝,杖道範士八段)の著書「古流へのいざないとしての 杖道打太刀入門」から『気合と呼吸』を抜粋しまして、皆様にご紹介していきたいと思います。
「古流へのいざないとしての 杖道打太刀入門」から抜粋
気合と呼吸
武道における気合には、有声のものと無声のものがあり、武道各流派においてさまざまな相違があります。全剣盟杖道の基になった古伝神道夢想流では、表と中段という段階においては有声の気合、杖の者は神道の「鳥船の行」の掛け声と同じ「エイ、イエイ、ホー」を使い分け、打太刀は原則として「エイ」のみを使い、全剣盟杖道となっても杖は「エイ、ホー」であり、打太刀は「エイ」だけです。
古伝神道夢想流においては、さらに陰において杖、打太刀ともに無声の含み気合による技を学ぶことになりますが、全剣盟杖道は基本的に普及用ですから、有声の気合(掛け声)からしっかり学ぶ必要があります。声を出すということは、呼吸から言うと、吐くという動作です。
呼吸法に関しては、インドのヨガでは息の吐き方、吸い方を均等に学ぶことが多いようですが、わが国における宗教、武術ともに息の吐き方から学ぶ特性があります。また、仏教的呼吸法においても普通に見受けられるのは、基本的に吐く時は腹が凹み、吸う時は腹が膨らむ「順腹式呼吸」です。独特な容姿で著名な湖北の渡岸寺の十一面観音像(国宝)の腰つきの素晴らしさは、「順腹式呼吸」の極致の素晴らしさだと思います。ただ、臨済宗系の坐禅などでは、「順腹式呼吸」ではなく、次に述べる「逆腹式呼吸」が指導されるのが一般的です。
一方、武術的には「順腹式呼吸」だけでなく、吐く時に腹部を充足させる「逆腹式呼吸」が多用されます。つまり、気合をかける時は、気を丹田に下ろし、下腹部を充足させることが重要になるわけです。その訓練が丹田の形成にも寄与しますが、体勢的には棒立ちではその成果は難しく、腰を落とし鼠徑部(そけいぶ)を広げた形が要求されます。京都東寺の講堂の五大明王像(国宝)にこの姿を見ることができます。
なお、腹を叩いて「丹田はここだ。ここに力をいれろ」という指導をされる指導者も多いのですが、初歩的にはそれでもよいとしても、丹田を実感できるようにならねば意味ありませんし、そうかと言って下腹部をコチンコチンに固くしてしまうのも如何かと思います。充足するということと固くするということは別物です。
また、通常、大きな声を出して動作すると筋肉が固くなってしまうことが多いのですが、これを気を下ろす工夫を重ねると丹田中心の動作になります。
深い呼吸は胴体部のさまざまな筋肉を使うため、それが動作にも大きく影響します。
また、武術的動作との関係においては、呼吸を止めての瞬発的動作や一回の呼気(吐く気)で複数の連続動作をおこなえるようになります。さらに高度な場合は、瞬時に「順腹式呼吸」と「逆腹式呼吸」を逆転させることも可能になります。平素の稽古で工夫すべきことと思います。
本日は、先日の稽古の時に話しました「気合」(エイ、イエイ、ホー)と呼吸「順腹式呼吸」,「逆腹式呼吸」の違いについて、25日の記事〔松井先生語録〕の詳細説明を記載してみました。
最後に、自分自身への戒めを込めまして、先日も記載しましたが、「松井先生語録」から一文引用します。
『・習熟ということには、愚直な反復が必須だからだ。素直にその指導に従って、ひたすら反復した者は、明らかに動作、気合共に進歩が見られました。勿論,それはしんどいと思い、手抜きをした者には進歩が見られなかった。
武術は知識ではないと何度も言ってきた。自分勝手な好みの動作や価値感観を否定しなければ進歩は望めない。』
『・神道夢想流をベースとする杖道は「エイ」「イエイ」「ホー」を発声します』
と記載しました。
この発声(気合)を出すという事を、後少し詳細に記載してみたいと思います。と言いますのは、杖道稽古の中でこの気合は、術技と同じ位に大変に重要な部分を占めていますが、意外となおざりにされている、との松井先生からのご指摘もありますので、更に突っ込んだ説明文を引用させていただきたいと思います。
本日も私の「杖道」の先生であります、松井健二先生(神道夢想流杖術免許皆伝,杖道範士八段)の著書「古流へのいざないとしての 杖道打太刀入門」から『気合と呼吸』を抜粋しまして、皆様にご紹介していきたいと思います。
「古流へのいざないとしての 杖道打太刀入門」から抜粋
気合と呼吸
武道における気合には、有声のものと無声のものがあり、武道各流派においてさまざまな相違があります。全剣盟杖道の基になった古伝神道夢想流では、表と中段という段階においては有声の気合、杖の者は神道の「鳥船の行」の掛け声と同じ「エイ、イエイ、ホー」を使い分け、打太刀は原則として「エイ」のみを使い、全剣盟杖道となっても杖は「エイ、ホー」であり、打太刀は「エイ」だけです。
古伝神道夢想流においては、さらに陰において杖、打太刀ともに無声の含み気合による技を学ぶことになりますが、全剣盟杖道は基本的に普及用ですから、有声の気合(掛け声)からしっかり学ぶ必要があります。声を出すということは、呼吸から言うと、吐くという動作です。
呼吸法に関しては、インドのヨガでは息の吐き方、吸い方を均等に学ぶことが多いようですが、わが国における宗教、武術ともに息の吐き方から学ぶ特性があります。また、仏教的呼吸法においても普通に見受けられるのは、基本的に吐く時は腹が凹み、吸う時は腹が膨らむ「順腹式呼吸」です。独特な容姿で著名な湖北の渡岸寺の十一面観音像(国宝)の腰つきの素晴らしさは、「順腹式呼吸」の極致の素晴らしさだと思います。ただ、臨済宗系の坐禅などでは、「順腹式呼吸」ではなく、次に述べる「逆腹式呼吸」が指導されるのが一般的です。
一方、武術的には「順腹式呼吸」だけでなく、吐く時に腹部を充足させる「逆腹式呼吸」が多用されます。つまり、気合をかける時は、気を丹田に下ろし、下腹部を充足させることが重要になるわけです。その訓練が丹田の形成にも寄与しますが、体勢的には棒立ちではその成果は難しく、腰を落とし鼠徑部(そけいぶ)を広げた形が要求されます。京都東寺の講堂の五大明王像(国宝)にこの姿を見ることができます。
なお、腹を叩いて「丹田はここだ。ここに力をいれろ」という指導をされる指導者も多いのですが、初歩的にはそれでもよいとしても、丹田を実感できるようにならねば意味ありませんし、そうかと言って下腹部をコチンコチンに固くしてしまうのも如何かと思います。充足するということと固くするということは別物です。
また、通常、大きな声を出して動作すると筋肉が固くなってしまうことが多いのですが、これを気を下ろす工夫を重ねると丹田中心の動作になります。
深い呼吸は胴体部のさまざまな筋肉を使うため、それが動作にも大きく影響します。
また、武術的動作との関係においては、呼吸を止めての瞬発的動作や一回の呼気(吐く気)で複数の連続動作をおこなえるようになります。さらに高度な場合は、瞬時に「順腹式呼吸」と「逆腹式呼吸」を逆転させることも可能になります。平素の稽古で工夫すべきことと思います。
本日は、先日の稽古の時に話しました「気合」(エイ、イエイ、ホー)と呼吸「順腹式呼吸」,「逆腹式呼吸」の違いについて、25日の記事〔松井先生語録〕の詳細説明を記載してみました。
最後に、自分自身への戒めを込めまして、先日も記載しましたが、「松井先生語録」から一文引用します。
『・習熟ということには、愚直な反復が必須だからだ。素直にその指導に従って、ひたすら反復した者は、明らかに動作、気合共に進歩が見られました。勿論,それはしんどいと思い、手抜きをした者には進歩が見られなかった。
武術は知識ではないと何度も言ってきた。自分勝手な好みの動作や価値感観を否定しなければ進歩は望めない。』
Posted by 阿羅漢 at 18:40│Comments(0)
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